「あさになったのでまどをあけますよ」 作・絵 荒井良二 偕成社

朝になったので窓をあける、たったそれだけ話です。

何も起きません、オチもありません。ただただ朝になったので窓を開けるだけです。

そんな日常の何気ない行為の中にこそ、幸せが溢れているんだということを気づかせてくれる絵本です。

「やまはやっぱりそこにいて きはやっぱりここにいる だからぼくはここがすき」

作者の荒井良二さんは、山形出身。東日本大震災の被災地にも何度も足を運んで、ボランティアでワークショップなどを開催していたそうです。

そんな中で、被災者の方たちの「水が怖い、暗いのがこわい」という言葉から、そんな人達の心を癒やし、そして何気ない日常を取り戻していけるようにと、作品をつくったんだそうです。

かといって「震災」をテーマにしているわけではありませんが、2011年に出版したことが奥付に記載されることで、それに気づいた人が当時に感じたことを思い出してもらえたらと、年内の出版にこだわって、2011年12月に出版されています。

本当にただただ優しいだけのお話です。こういう本を読んでうるっとしちゃうのは、なんか自分が年をとったのかなぁと思ったりして笑。でも一度はみんなに読んでほしい素敵な絵本です。

「うみはやっぱりそこにいて そらはやっぱりそこにある だからぼくはここがすき」

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