まないたにりょうりをあげないこと 作 シゲタサヤカ 出版 講談社

「ねえねぇ、コックさ~ん、おねが~い」
甘えた声でこっそりと、コックにレストランの料理をねだる「まないた」
お人好しのコックは「しょうがないな~」と周りの目を盗んでこっそり少しだけ料理を分けてあげます。
しかし、そのうちにまな板はどんどん太ってきて、とうとう料理長にも気づかれてしまいます。

もうとっくにこの本は紹介したものと思っていましたが、まだ紹介していませんでした。
古いのか新しいのかよくわからない絵のタッチが大好きなシゲタサヤカさんの作品です。以前に紹介しました、「おいしいぼうし」もシゲタサヤカさんです。

それにしても、こういうひと、周りに一人くらいいそうですよね。

今までレストランの料理を食べたことがないようなふりをして「たべてみたいな~」なんていっておいて、実はみんなにも同じことを言って、みんなに食べさせてもらってたとは・・・
きっと、誰もが自分だけにお願いされているんだと思って、しかたないなぁと、こっそり食べさせているつもりだったんでしょうね。
それがバレたら怒られそうなもんですが、なんだか憎めなくって、バレても「ごめ~~ん」で許されちゃうみたいな。そんな人、いませんか?

世渡り上手? おねだり上手?
この「まないた」なんだかんだで会社なら営業成績はトップクラスになりそうですし、キャバクラならナンバー1ホステスでしょう。

作った料理が「あれ?もう一切れあったはずだけどな」なんてことがあったら、それはまないたのせいかもしれません。一度夜中にまな板の上に海老をのせて確かめてみてください。

シゲタサヤカさんのコックの登場するシリーズ、この作品が第一弾で
りょうりをしてはいけないなべ コックのぼうしは知っている で三部作となっております。

実は、今回のまないたが他の作品にもこっそり出演しています。

こっそり食べたり、隠れて食べさせてもらっていたり。
こういう細かいところが、本当に魅力的で、隅から隅までじっくり見てるといろいろ見つかります。表紙の裏だって見逃せません。

そんなわけで、他の作品もぜひチェックしてみてください。読み聞かせにも超おすすめです。

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