コックのぼうしはしっている 作 シゲタサヤカ 出版 講談社

ここは街で一番人気のレストラン。たくさんのコックたちが慌ただしく働く中、一人のコックは細かくすりつぶしたハーブを顔に塗りたくって言いました「どうやら風邪をひいたみたいだよ」。
サボって昼寝をしようとしたコックでしたが、「あたしゃこの目で見ていたよ!」と怒りの声が頭の上から聞こえてきます。誰にもバレてないつもりだったのに、コックの帽子はすべてを見ていたんです。

以前に紹介した、「まないたにりょうりをあげないこと」の続編です。

「まないたにりょうりをあげないこと」「りょうりをしてはいけないなべ」に続く作品なのですが、この「まないたにりょうりをあげないこと」が、一番お気に入りです。

なんといっても、絵のインパクトがすばらしい。

ハーブを塗って顔を緑色にしたコックの顔のアップ、堪忍袋の緒が切れた帽子のアップ、ばばーんと見開きででてくるのが強烈なインパクトを与えてくれます。

表紙に顔が緑のコックさんが登場するので、読者としては、なぜ顔が緑色なんだろうか、という疑問が浮かぶわけですが、最初の見開き(1~2ページ)でハーブを細かくすりつぶしたコックは、次の見開き(3~4ページ)で顔に塗りたくって登場します。

いわゆる「ツカミ」ですよね。
表紙で「なんでだろう?」と思わせておいて、ここでグッとお客さんの気持ちをつかむわけですよ。あー、なるほど!と。

大道芸でも、序盤でいかにお客さんの気持ちを掴むのか、というのが非常に重要になってきます。
最初にしっかり掴んでしまえば、ほぼ成功は約束されたようなものです。多少失敗しようが大丈夫。

読み聞かせで使うことを考えると、非常に使いやすいんじゃないかと。最初で観客の気持ちをぐっと気持ちをつかんでおけば、多少読み間違えても大丈夫でしょう笑

2009年、2010年、2011年と続けてレストランを舞台にした絵本が続けて出版されたので、三部作という扱いになっているのですが、実はそうではないのではないか、続編がでるのではないかと未だに待ち続けています。

ここのところ、新作がでてないぞと思っていたら、出産して育児をしながら活動されてるとのことで、ペースがゆっくりになってるそうです。

続編待ってます! 出してくれないかなぁ・・・

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