はらぺこおおかみとぶたのまち 作 宮西達也 出版 すずき出版

はらぺこのオオカミが迷い込んだのは「ぶたのまち」 喜び勇んで町の中を見渡すと、ラーメン屋には「おおかみラーメン」「おおかみぎょうざ」本屋には「おおかみをおいしくたべる方法」なんてのが並んでいます。びっくりして変装したオオカミの前に、子豚たちがわらわらと集まってきます・・・

ぶたのまちの住民は、協力して町からオオカミを追い出します。

レオ・レオニの「スイミー」では、小さな魚が集まって大きな魚に見せかけるというアイデアで大きな魚を撃退するわけですが、豚のアイデアは更に上をいきます。

以前に紹介した「ゆうだち」と同じ作戦です。

ゆうだちでは、このままでは食べられるという状況の中で、即興的に思いついたアイデアだったのですが、ぶたのまちのぶたたちは、更に用意周到、アイデアというよりも情報戦。

飲食店には「おおかみ◯◯」というメニューを用意、本屋にはオオカミをつかったレシピ本を並べ、電気店にはオオカミ専用の調理器具を販売します。

一つだけならまだしも、徹底して「ぶたはおおかみを食べる」という情報を目にしていると、本当に食べらてしまうんじゃないだろうか、なんて思ってしまうんでしょうね。
おおかみは慌てて逃げ出してしまいます。

自分たちにもあります。
ゲームで表示される広告を何度も見ていると、なんかその気になっちゃう。
「コロナは◯◯のせいだ!」なんて周りの人が言ってるのを目にしていたらそんな気になっちゃうし、「ワクチンは危険だ!」なんてのをずっと見てたら、ほんとにそうなのかも?なんて思っちゃう。

面白いアイデアだ!なんて思ったりしますが、きっと自分が同じ状況になったとしたらまんまと騙されてしまうんじゃないだろうか。そう思うとちょっと怖いね笑。

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