よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし 作 及川賢治・竹内繭子 出版 岩崎書店
朝ごはんにチョコレートパンを食べていたのよしおくんがうっかり倒してしまった牛乳瓶。どくどくと流れ出した牛乳は、いつまでも止まらず、いつしか部屋中に溢れ、あっという間に家の外まで流されてしまいます。
牛乳の勢いは留まるところを知らず、いつしか家の周りは牛乳の海になって・・・
表紙をめくると、表紙の裏から物語は始まります。
「それは ぼくが あさごはんの チョコレートパンを たべて ぎゅうにゅうを のんでいたときの ことです。」
という一文から始まり、瓶を倒して溢れ出した牛乳がどくどくと止まらず、チョコレートパンが牛乳に流されてしまったところで
「よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」
というタイトルが入ります。
イラストもなんだか洒落ているんですが、タイトルが途中で入るなんて、なんだか映画みたいな感じです。
牛乳が家の周りにまで海みたいに溢れ、ミルクフィッシュが泳ぎ回り、「こぼすな号」に乗ったおじさんは牛乳瓶をつりあげ、牛乳が引いたあとにはミルクフラワーが咲いています。
ミルクフラワーに囲まれた中で「ぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなしは、これでおしまいです」とよしおくんが語るところでお話は終わります。最初から最後まで意味がわかりません。
いろいろと深い意味があるのかもしれませんし、まったくないのかもしれません。
夢の中の話なのかもしれませんし、牛乳をこぼした言い訳の作り話かもしれません。
意味がわからないけど、なんだか面白い、そして、イラストを含めて全体の感じがなんかすごく素敵です。
表紙のイラストだけ見ても、なんだかとんでもないセンスを感じます。
大人は、意味わからなーいとなる人が多そうな気がしますが、子供は多分好きなんじゃないかなー、こういう感じ。僕は大好きです。
ちなみに、どこかで見たことのある絵だと思ったら、作者のお二人は「100%ORANGE」として、活動されてるんですね!
名前は知らなくても、きっと絵を見たらどこかで見たことがあるって思うんじゃないでしょうか。
ね?どこかで一度は見たことありますよね?