ぼく、いってくる! マチュー・モデ作 ふしみみさを訳 出版 光村教育図書
「よーし、きめた!ぼく、いってくる!」と出かけることを決心した小鳥のぼく。
それを聞いたママは「寒いといけないから」とセーターを着せ、パパは「暗くなるといけないから」と懐中電灯を渡し、お腹がすくといけないから、雨が降るといけないから、暑くなるかもしれないからと、クッキーやら、傘やら、帽子やら、本やら、ラジオやら、心配したみんなにいろんなものを手渡されたものを抱えたままで、小さなぼくがやっと到着したのは・・・
とっても優しいお話なのに、オチもしっかりあります。子供向けのふわっとした優しいお話だと思って油断してたら、ちゃんとオチがあって、おおっ!と思いました笑
実は、翻訳の絵本というのはあまり好きじゃありません。
名作といわれるものはそもそも古いので翻訳の感じが古いのが苦手、比較的新しいものも、なんとなくそれを踏襲しているというか、「ああ、訳したんだろうな」というのが伝わってくる微妙な翻訳っぽさ。翻訳者も苦労していることだとは思うのですが・・・
でも、これくらいシンプルなものだと、そんなに意識しないで読めていいですね。
なんだか、とっても最近の日本の絵本って感じがしていたので、作者を見て外国の絵本だと知ってびっくりしました。
何を以て、僕が「最近の日本の絵本だな」と感じたのかと言うと、本のイラストの中の小ネタが仕込まれてるところ。
以前に紹介した、「うどん対ラーメン」には、うどんとラーメンが激しく戦う後ろでは、親子が遊んでいるシーンが何度もこっそり登場していて、最後のみんなで晩ごはんを食べているシーンでも、後ろで親子がご飯を食べています(書こうと思ってこのネタのことを触れるのを忘れていました)
そして「まないたにりょうりをあげないこと」でも、その後のシリーズには、前の作品の登場していたまないたや鍋が登場するという小ネタが仕込んであります。
「ぼく、いってくる!」でもこっそりとイラストに小ネタが隠されています。
よーく見ないとわからないのですが、小鳥のぼくが最後にやっと到着したところで、「アリ」が出てきます。

クッキーこぼすからアリが寄ってきたのかと思いきや・・・実は出発したときからアリは一緒についてきていて、どのページにもこっそり描かれています。むしろ表紙にまでこっそり登場しています。
こういう小ネタがあるので、なんだか最近の絵本に多いような書き込み方だなと思ったわけですが・・・
よく考えてみたら、海外からの流れが日本に影響してきた可能性も捨てきれません、本当のところはどうなんだろう?
でも、絵本においては、海外よりも国内のほうが発展してるように思うんだけどなぁ。
中国では、日本の絵本が爆売れしてるっていいますし(プレジデントオンラインのこの記事は大変おもしろかった)、なんとなくそんな気でいるんですが、誰か詳しい方ご存じないでしょうか? 知ってたら教えて下さい。