えがない えほん 作B・J・ノヴァク 訳 大友剛  出版 早川書房

この本を読むには、たった一つのルールがあります、それは
「書かれている言葉は全部声に出して読むこと」
そんなシンプルなルールを守るだけで、大人は恥ずかしいことを何度も言わされ、子供はそれを聞いて大笑いすることができます。

絵がない絵本、もしくは絵のない絵本と検索してみると、古くはアンデルセンの作品「絵のない絵本」、「えがないえほん」と同時期にも「えのないえほん」というのが出版されています。

アンデルセンの作品は、貧しい画家に、月が世界で見た話を語る、というはなしで、もう一冊は、絵にもかけないような醜い獣と盲目の少女と交流するというおはなし、どちらも感動的な方向性なんですが、この「えのない えほん」というのは全く方向性が違います。
どこの図書館だったか忘れましたが、近くで並んでみるのを見て笑ってしまいました。なんだこの振り幅は!と。

裏面にはしっかりと注意点がありますが、内容はと言うとおとなが読むと恥ずかしい言葉が満載。

ネタバレになるので、アマゾンのページで公開されてるページに程度にしておきますが

こんなのばっかり、しかもこれはまだ序の口。

どうぞ大人は存分に恥をかいてください。

作者のB・J・ノヴァクさんは、アメリカのコメディアンだそうです。俳優としてスパイダーマンシリーズにも出演しています。

そんな現役のコメディアンが、子供を笑わせるために書いたというわけです。なるほどね、面白いわけだ。

訳者は、「ねこのピート」シリーズでも訳をしている大友剛さん。

原作がアメリカのコメディアンなので、お笑い芸人に翻訳してもらおうとやってたらしいんですが、うまく行かずに大友さんにお鉢が回ってきたそうな。ちなみに大友さんの肩書は「ミュージシャン&マジシャン&翻訳家」です、なるほどね。

たぶん、「良い絵本」を子供に与えたいと思ってる大人は「これはちょっと・・・」と眉をひそめるんじゃないでしょうか。

きれいな言葉遣い、上品な内容、優しい気持ちを育てる感動的な作品。

気持ちはわからないでもないですが、これはテレビで言うドリフであったり、オレたちひょうきん族であったりというと古いのか・・・今で言ったら誰かYoutuberだったりするのかな? 親は見せたくなくても子供が喜んで見たいものってありますよね。

これもそんなものの一つ。

水清ければ魚棲まずというか、時々はジャンクフードだって食べたくなるもんです。

この絵本は、大人と子供がコミュニケーションを取るということに特化した内容だと思うんです。そんな本があったっていいじゃないですか!

ツンとすました大人に「ぶりぶりぶ~~~」と言わせることで、子供たちに親近感を感じさせて、仲良くなることができるはずです。
ちょっと怖いかもと思われている頑固オヤジが「ぶりぶりぶ~」なんて言ったら、好感度バク上がり間違いなし!

意外に支持率が低くてがっかりしているであろう岸田首相、どうですか? 一度読んでみませんか? 支持率もバク上がりしますよ!笑

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