たこやきのたこさぶろう 作 長谷川義史 出版 小学館

「いかせておくんなせー いかせておくんなせー」とたびに出ようとするたこさぶろうを、たこやきの家族が止めようとします。しかし、たこさぶろうには、旅にでなければならない深いわけがあったのです。

読んでいるとたこ焼きがたべたくなっちゃいます。たこやきのたこさぶろう。
コロナ禍になってから、中部圏から出ることがないので、大阪で食べたおいしいたこ焼きがまた食べてくなってきます。

旅に出なければならない深いわけ、とは言ったものの、そんな大した理由ではありません、当人(?)にとってみればたこ焼きのアイデンティティーに関わる事態ではあるのですが、なーんだそれってなります。
でも、たこさぶろうだけが「あっしたこやきのたこさぶろうでござんす」と下町言葉なのもそのためなんだと思うと、やはりたこ焼きとしては一大事なのでしょう。

たこ焼きの家族、マヨネーズ姐さんに、プロパンガスの大将、たこやきやのおやっさんなどがリズムよく代わる代わる登場するのは小気味よいです。リズムよく読みたいですね。

大阪出身の長谷川義史さん。絵本の中でも登場人物はバリバリの関西弁です。

関西弁自体は、テレビを見ていれば聞かない日がないくらいに耳にするものの、さて自分で言葉にして呼んでみようと思うと、なかなかむずかしいもんです。

黙読しているときには、なんとなく読めるような気がするんだけど、声に出して読もうとすると、微妙なところのイントネーションがよくわからない。

外国人タレントの日本語が、間違いなく喋っているものの、どこか不自然に聞こえるのも、細かいところでちょっと違うなってところがあるわけで、関西弁を真似しても、やっぱりそういうところが出てきちゃうんでしょうね。やはり日常的に使っていないと難しいもんですね。

中部地区でも、三重県が桑名を越えると関西弁っぽくなるようです。
学生時代に岐阜から出て一人暮らししてたんですが、そこで出会った友人の一人が三重県民でした。
関西弁なので、てっきり関西の人なのかと思ったら、三重県民で、曰く、「愛知にくると関西弁と言われるんだけど、関西に行くとエセ関西弁と言われる」と嘆いていました。

関西弁っぽく読むことはできるんだろうけど、きっと関西人から見たらエセ関西弁になるんだろうなあ。

そんなわけで、いつか関西人にイントネーションのレクチャーを受けて、できるだけリアルな関西弁で読めるようになってみたいもんです。それまでは、関西人に見つからないようにこっそり読むようにします笑。

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