てぶ〜くろ 作 ガタロー⭐︎マン 出版 誠文堂新光社
森の中でおじいさんが落としてしまった手袋の中に、カエル、ネズミ、ウサギがやってきて入り込んでしまいます。今にも弾けそうに大きくなった手袋に、更に猪や熊までやってきて入り込んでしまいます。そこにおじいさんが落とした手袋を探しやってきて・・・
幼稚園の卒園記念か何かで絵本をもらったような気がします。初版が1965年だそうですから、50年以上前に出版された絵本「てぶくろ」を大胆にアレンジした作品です。
なんせあの漫⭐︎画太郎ことガタロー⭐︎マンですから、大胆では言い足りないくらいの激しいアレンジが加わっています。
基本的なストーリーとしては本家「てぶくろ」と変わりありませんが、強烈なインパクトのイラストと、リズム感が絵本の新しい可能性みたいなものを感じないわけではありません。
第二弾の「おおきなかぶ〜」でもそうだったんですが、「てぶ〜くろ」とも同様に「ぶ〜」が強調されているんですよね。
オナラでもウンチでもおしっこでも、シモの話題は絵本でもたくさん取り上げられていることではありますが、このインパクトの強いイラストと相まってしまうと、アレルギーが出てしまう人もいくらかいるんじゃないだろうかと思います。
手袋に入り込んだ動物たちを引っ張り出すために、手袋の中にオナラをぶっ放すと言うわけですが、これがだめだったら「へっこきよめさま」も「おしりたんてい」もダメなはず。まぁ絵柄が悪いと言われたらそうかもしれませんが。もうちょっと可愛い感じだといいのかもなぁ、でもこれくらい特徴的だから手に取ってもらえるんだろうしなと思うと複雑。
前作「おおきなかぶ〜」に続き、2作品連続でオナラで解決しちゃうんかよ!と思わなくもないですが、独特の勢いやリズムには、新しい時代の絵本を作ろうとしている気持ちは伝わってくるような気がします。気がしているだけかもしれませんが。
ちなみに本家「てぶくろ」はウクライナの昔話だそうです。
作者のガタロー⭐︎マンは作者紹介によると、悲しい結末が大嫌いで、世界中の昔話をハッピーエンドに変えちゃうことを企んでるそうです。
世界がどうかハッピーになりますように。