たかこ 作 清水真裕 絵 青山友美 出版 童心社
転校生は、平成生まれじゃなくて、平安生まれ? 十二単を着込み、古語をしゃべる女の子、たかこがやってきた。最初はみんなと仲良くしてたのが、ちょっとしたきっかけでクラスのみんなはたかこをからかうようになる。そんな中ででかけた遠足で、天候が荒れて雹が降ってきたところを、たかこがクラスメイトを助けたことをきっかけに、また仲直りする。
先日にいった幼稚園で「こんなにおおきくなりました!」みたいな掲示がしてあったのですが、その中にも外国人の子供が何人もいるようでした。
地域にもよりけりなんでしょうが、今やそんなことは珍しいことでもないんでしょうが、自分が小学生の時なんかは、外国人どころか、自分たちとは違う方言の子が転向してきただけでからかいの対象になるようなもんでした。
自分たちと違うものをなかなか受け入れられないというのは、村社会のわるいところなんでしょうね。今はそういうものも受け入れる教育が進んでいるんでしょうが、当時はそんなのはあまり聞かれなかったような気がします。
肌の色がちがったり、宗教が違ったり、言葉が違ったり、性別が違ったり、いろんな違いがあっても、お互いに歩み寄って理解し合えるといいですね。
たかこは、からかってきたクラスメイトが危険なときには身を挺して守り、それをきっかけにクラスメイトはたかことその文化の理解を深めることになります。
「こころやすくならむ」「さなり」「あぢきなし」など、日常会話の中にぽんっと古語がでてくるというのはなんとも「いとをかし」。
知ってないと難しいかもしれませんが、これでまた興味を持って、古典の勉強をしてみるなんてのもおもしろいんじゃないかと。
例えば「こころやすくならむ」は「こころやすく」とは現代語では「親しく」、「ならむ」は「なり」と断定的な推量をあらわす「む」で「なりましょう」。「仲良くなりましょう」みたいな感じでしょう。
すべてが古文の文章を読むよりも、こういうのを読み解く方が、古典を習っている中学生や高校生でもおもしろがって調べたりするんじゃないかなぁ?
ちなみに、学生のときは、国文学専攻でした。もうすっかり忘れたけど笑