へいわとせんそう 作 たにかわしゅんたろう 絵 Noritake 出版 ブロンズ新社

へいわのボクとせんそうのボク、何が違って、何がかわらないのだろうか?

ものすごくシンプルな絵本、でもものすごく複雑な話かもしれない。

平和と戦争の違いを、見開きで比べています。

戦争反対と唱えているわけではないんです、だけど、戦争をしてはいけないというメッセージが強烈に伝わってきます。

シンプルな言葉とイラストだから、余計につよく心に響くような気がします。

前半はへいわとせんそうの対比で物語が進んでいきます。

平和なときには元気なボクも戦争になると膝を抱えてうずくまります。父、母、家族、行列、海など、平和と戦争を比較して、どれだけ大きな違いがあるのか、どれほど戦争が悲惨な結果を生んでしまうのかということがよくわかります。

平和と戦争の対比から、味方と敵の対比について書かれるのですが・・・

ネタバレになりますので注意してください

「みかたのかお」のページをめくると「てきのかお」が出てくるのですが、ここでハッとさせられます。

「味方」ときたら次は当然「敵」だろうというのは想像がつくのですが、それでは敵はどうやって表現しているんだろうかと思って見てみると、描かれた敵の顔は全く同じ顔をしています。正確にはシャツの襟のあたりがちょっと違うんですけども、そんな程度の違いしかありません。

実際もそうなんでしょう、敵も味方も、同じ人間で、せいぜい生まれたところや喋る言葉が違うくらいのことで、本質的には違いなんてないんです。

他のページは見開きなのですが、味方の顔、敵の顔だけは見開きが別になっているのでめくらないとわからないようになっているんですが、ここはすごい衝撃をうけました。

もう、ぜひぜひすべての人に読んほしい、ロシアやウクライナ、アメリカやEU諸国も、戦争はダメ、ぜったい。

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