じごくにアイス 作 ナカオマツトシ 絵 澤野秋文 出版 ひさかたチャイルド

こたろうはおいしいと評判のアイス屋さん。ある日、足を滑らせて頭を打って気を失ってしまいました。目が覚めると、そこは地獄の三途の川。閻魔様のところに連れられていくところで、トラブル発生、地獄の釜が火事になって、こたろうも消火を手伝う羽目に・・・

ちょっと前から奥歯に違和感を感じていたんですが、昨日から食べるのに苦労するくらいに歯が痛くなってきました。
今朝は、とうとう、寝てる間に噛み締めると痛くて目を覚ますほど。
歯が痛いというか、歯茎なのかな? とにかく歯に何かが当たると痛いので味噌汁もわかめでも痛いもんだから豆腐くらいしか食べられません。

こいつは困ったぞと、歯医者に行こうにも今日は木曜日、周辺の歯医者は全てお休みで困ってます。

というわけで、思い出したのが「えんまのはいしゃ」というお話。
地獄に落ちた口のうまいヤブ歯医者が、普通はこんなの痛いって言うわけがないと言いくるめて治療をするもんだから、痛くても痛いと言えない赤鬼や青鬼、更には閻魔の歯もめちゃくちゃに治療しちゃうとうお話、たしか持ってた気がするけど、と思ったけど持ってませんでした(笑)

似たようなお話はなんだっけと思って本棚で見つけたのがこれ「じごくにアイス」

地獄から生き返る系のお話というのはいくつかあって、古くは「じごくのそうべえ」、軽業師のそうべえと山伏、歯医者、医者の4人で特技を駆使しながら地獄を逃げ出し生き返るというお話。もともとは落語の「地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)」が元になっているそうです(これも歯医者が登場しますね)。

じごくにアイスも、特技を駆使して地獄から生き返るわけですが、歯医者は口八丁で言いくるめ、そうべえは特技を持って強行突破します。じごくにアイスのこたろうは、消火活動で汗だくの鬼たちに、地獄の特産物をつかったアイスを作って振る舞います。
口からでまかせでもなく、戦うわけでもなく、むしろ鬼に協力してもらって材料を集めた上でうまいアイスを作るという、なんというか解決法が平和で現代っぽいですね。

去年の5月発行の絵本なんですが、最近の絵本は表紙の裏にも工夫をこらしてあるものが多いのですが、じごくにアイスも、登場する鬼や地獄の生き物の設定案がラフスケッチっぽく書かれていて、アニメの設定集みたいで、これもまた現代っぽい感じがします。

歯が痛いから選んだんですが、奇しくも季節外れの猛暑の6月にぴったりのお話です。もちろんこれから夏にかけてもぴったりです。

なんて書いてるとアイスが食べてくなりますね。買ってこようかな、舐めて食べる分には大丈夫だから。

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