ゆうれいなっとう 作 刈谷澄子 絵 大島妙子 出版 アリス館
スーパーで売っていたゆうれいなっとう。一見普通の納豆だけど、はしでぐるぐるかきまぜると「ひゅう~ どろどろどろ~」と恐ろしい音、ねばーっと糸を引いたら「う~ら~め~し~や~」と更に恐ろしい声が聞こえる。そこに本物の幽霊もやってきて・・・
いろいろとアイデアを巡らせたりするのは苦手な方ではないんだけど、基本的に根が真面目なんだと思うんですが、どうにも思い浮かぶ範囲というのが常識の範囲内に収まってる気がするんですよね。そんなわけで自分が思いつけないような突飛なアイデアを目の前にすると感心してしまいます。
こんな岐阜の田舎の市内に、僕の他に大道芸人がもう一人いまして、ブンブクっていうんですけど、これがまたとんでも無いヤツなんです。
もともと、椅子倒立しながらお尻の風船をふくらませるとか、非常にシュールなことをやってたのですが、去年の年末くらいから、スキンヘッドに吸盤の指を5本つけて「足マン」となって、足の指で針に糸を通したり、洗濯物を足で取り込んだりしています。
知らない方には全く意味がわからないと思いますが、見てても意味がわからないと思います(笑)
そんなブンブクのアイデアと同様なんですが、この「ゆうれい納豆」、なんでゆうれいと納豆を組み合わせることを思いついたんだろうかと感心してしまいます。
かき回すと不気味な音がして、糸を引いたらうらめしや~、更に食べたらうらめしや~と恐ろしい声が出るものだから、声に迫力のないのが悩みの幽霊が、仲間にも食べさせようと幽霊の国へ一緒に行くという話なんですが、みんなに食べさせようとしたら足らないので納豆ひと粒ずつ食べさせてあげるなんていうオチもなかなかおもしろいです。
絵もおもしろくって、登場するゆうれい納豆のパッケージもノリノリで書いたのか「安心!」「ゆうれい豆100%」なんて書いてあるのが笑えます。何に安心したらいいんでしょうか?
題名に「ゆうれい」なんてつくと、ちょっと怖い話みたいに思われそうですが、最初から最後まで全く怖くないので、安心して読んでください。出てくる幽霊が全て怖くないんですが、「うらめしや~」だけ怖く言えるという設定なので、怖い声をだすけど怖くないといういいさじ加減ではないかと思います。
夏の怖い話の読み聞かせみたいなところにもオススメです。全力の怖い声でうらめしや~なんてやったら受けそうですね。ぜひ読んでみて下さい!
ちなみに、「足マン」のブンブクですが、今週末から始まる「#やっぱり大道芸が好き!」にも、8月7日の豊田市の保見交流館での公演に登場します。
各回とも絶賛予約受付中ですので、ぜひお申し込み待ってます! 特に8月11日はオマールえび登場ですので、ぜひぜひお越し下さい!