「びんぼうがみとふくのかみ」という絵本を読む練習をしています。
屋根裏に100年住み着いた貧乏神が、家主の夫婦があまりに働き者のために福の神が来ることになったので追い出されることになってしまうものの、貧乏神がかわいそうになった夫婦が、貧乏神を応援して逆に福の神を追い出してしまうというお話です。
このお話、最後が「どんび すかんこ ないっけど」で終わります。
「めでたし めでたし」や「とっぴんぱらりのぷう」のように、物語の最後で「おしまい」という意味なんだろうなとは想像がつくんですが、これがどうやって読んだらいいものかと悩んでしまって、この昔ばなしが伝えられているという山形県の鮭川村の役場に直接電話をかけて聞いてみました。
どうやら、山形の新庄地方に伝わる、物語をしめくくる言葉のようでして、「どんび=栄養の抜けた田んぼの泥」「すかんこ=イタドリ(雑草)」もありませんよ、もうなにもないですよ、というような意味だとのことです。
どこを強調して読んだらいいのかわからずに、想像で読んでいるときには「どんび すかんこ」と単語ごとに強調して読んでいたんですが、地元の発音でよんでもらったところ「どんびすかんこ」であることがわかりました。単語で切らずにずるずるっと続ける感じで、強調するのは「ソフトクリーム」な感じです。伝わるでしょうか?
さらに、「ないっけど」は「ねぇっけど」に近いそうです。なるほど、勉強になりました。
電話口で何度も「どんびすかんこないっけど」を言ってもらいまして、電話の向こうの事務室の中の状況を想像するに、きっとこの状況ははずかしいだろうなぁと思いましたが、たいへん快く対応していただきました。ありがとうございました。
大概の方にはどうでもいい話だとは思うのですが、どう聞いたもんかなと思いながら問い合わせたんですが、読み方だけでなく意味までわかってものすごいスッキリしました。
こうなるとほんとに地元でどういう読み方をしてるのか、聞いてみたくなりますね。たぶん山形弁が全然理解できないんじゃないかと思うんだけども(笑)。