池井戸潤の「ハヤブサ消防団」を読みました。

岐阜県出身の池井戸潤さんが消防団がテーマの小説を出すというので、どういう話かと思っていましたが、銀行は全然でてきません。びっくりするくらい出てきません。

その代わりに「消防団」だけでなく「へぼ」やら「鶏ちゃん」やら「まむし」やら「猪肉」やら、僕にとっては身近な言葉がたくさん出てきます。

八百万町のハヤブサ地区が舞台なんですが、わかる人はこれでわかると思うんですが「八百津町」がモデルです(池井戸さんも出身は八百津です)。

うちは八百津の隣の恵那なのでものすごく親近感。
登場人物の「○○やら~」という方言も、普段つかってるのでめちゃめちゃ聞き慣れた言葉です。
へぼを食べるのも普通だし(あまり手にはいらないので法事くらいかな?)、まむしも地元の年寄は見つけるとすぐに捕まえますしね。その場で頭を落として血をすするようなツワモノもいます。

消防団の操法大会の話題もでてきまして、さらっと毎日練習で大変なんてことを言ってますが、ほんと大変だったんだよなぁなんてことも思い出したりしました。

プロパンガスが引火して大爆発するシーンがあったんですけど、僕が現役のときに一度ありましたが、消火活動をしている眼の前でプロパンガスが引火して火柱を上げているのを見て、命の危険を感じて、恐怖と戦いながら放水していた記憶があります。

後で知ったのですが、爆発しないように圧がかかると安全弁から噴出して、結果として火柱があがるらしいです。でも、目の前で見たらめちゃめちゃ怖いです。ほんと死ぬかと思いましたもん。

行方不明者の捜索も何度もしましたし、死体にガスが溜まって浮いてくるという話は、僕が現役時代にも聞きました。ダムで自殺すると、すぐに見つけないともう沈んじゃってるので、二週間程度でガスがたまって浮いてこないと見つからない。さらにそのタイミングで見つけられないと、再び沈んでしまい、そうなるともう二度とみつからないと。

主人公は、行方不明者の死体も発見し、建物火災も続けて何件も経験して・・・ と、事件ありすぎだわ、と思ったんですが、まぁ事件が起こる話ですもんね。普通は田舎で建物火災よりも山林や原野火災の方が多かったですし、行方不明者も死体を見つけられることはそんなにないです。

やってる方としては、家族のことを考えるとなんとしても見つけたい、でもきっと亡くなっていると思われるので死体を見つけたくない、非常に苦しい気持ちだったことを覚えています。

そういえば、行方不明者が発生して、出動しようとしたら、行方不明者が消防の詰め所に入り込んで寝てたという事態もありました。すぐに発見できたのは良かったんですが、ちゃんと施錠してなかったからド叱られたそうですが笑

八百津はこの小説を上手に活かしたら、いいプロモーションになるんじゃないの?と思うんですけどね。町長がダメ町長として描かれてるから気に入らないのかな?と思ったり笑 ほんとにモデルにしてたりして?

そんなわけで、昨日から八百津八百津言ってたら、今日になって八百津の仕事が入ったんですよね。もう一回言っておこうかな、八百津八百津!

おすすめの記事