おすしがふくをかいにきた 作 田中達也 出版 白泉社

おすしが服を買いに、アイスが帽子を買いに、箱が着付けに、シュウマイがサウナに、「見立て」の世界で、いろんなモノたちがお買い物を楽しんでいます。

NHKの朝ドラ「ひよっこ」のオープニングって覚えてます? テーマソングの桑田佳祐さんの「若い広場」で流れていた、ミニチュアの人形たちが登場してくる映像です。

畳を田舎の田んぼの風景に見立てたり、ブラシを稲に見立てて稲刈りをしてたり、パンを電車に見立てたり、ガラス瓶を夜の街明かりに見立てたりってあれです。思い出してきました?

初めて見たときには、たしかにそんな感じに見えるし、よくこんなことを考えるもんだなぁと感心したものです。
そして更に感心したのが、この作品を作った田中達也さんが「見立て作家」という謎の肩書を持つ方だということ。こういうことを専門にやっているということを、たぶんあさイチかなんかで見たんだと思いますが、見立てるなんてことが職業になっちゃうという、その目の付け所にびっくりしました。
まぁ、そもそも大道芸人というのもかなりニッチな職業ではあるんですけども、見立て作家と比べたらそこそこ存在してますからね。

プロフィール写真だってこの凝り様です。

おすしやアイスなどが買い物を楽しむという、ストーリー的には有って無いようなものです。パラパラっと読んじゃうとふーんで終わってしまいます。

写真の細かいところまでじっくり見ていると、いろいろな発見があって面白いです。

多分、田中さんはめちゃめちゃ犬好きなんだろうなってのが分かりますし、田中さん御本人もこっそり登場してたりします。そして、おじいさんの挙動が非常に謎です。

実際に読んでもらうと、あー、そうそう、そうだよね!って思うはずなので、ぜひ時間をかけてじーーーっくり読んでみてください。

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