ラッキーカレー 作 シゲタサヤカ 出版 小学館

カレーを食べようとしたぺこぺこさんが、ラッキョウがないのに気づいて取りに行って戻ってみると、なんとライスを残してカレーだけがきれいに消え去っているではありませんか。不思議に思って部屋を見回すと、窓から逃げ出そうとするカレーの姿が・・・

シゲタサヤカさんの作品はほぼ全部揃っているんですが、唯一持っていないのがこの「ラッキーカレー」でした。

もともと、マクドナルドのハッピーセットのおまけとして作られたものなので、手に入れたくても手に入れられなかったんですよね。あと、正確に言うと、神奈川県民のカルタもあるんですが、それはまぁ絵本じゃないし、そもそも神奈川県民じゃないしなと思って持ってませんが。

本の帯の煽り文句は、いやいや、それは言いすぎでしょ?というものもありますが、これについては僕が待望してたので間違いないです。まさか再販?されるとは思ってませんでした。

おまけはミニサイズだったんですが、サイズも通常サイズにアップ、なおかつページも増えてます。

そして、実は先週紹介した「カレーはあとのおたのしみ」は、この作品に登場するカレー屋さん「ラッキーカレー」が舞台となっているのですのですが、増えたページのところで、「カレーはあとのおたのしみ」を読んでいなければわからない、盛大なネタバレが隠されてまして、それが大変衝撃的です。

細かいところも手が込んでて、「ラッキーカレー」では、最初はペコペコカレーだった店名をラッキーカレーに変えるんですが、「カレーはあとのおたのしみ」で登場したカレー屋のチラシは、リニューアルオープンと書いてあるので、この名称を変えたタイミングでの話だということがわかります。

また、「カレーはあとのおたのしみ」には、表紙の裏の見返しに、いろんなカレーの絵が書かれているんですが、そこに「ラッキーカレー」に登場する、ごはんだけの「カレーが逃げたカレー」が書かれていたり、「カレーはあとのおたのしみ」に出てくるとんかつやハンバーグ、ソーセージは、「ラッキーカレー」にはトッピングのメニューとしてこっそり書かれてたりして、なるほど、トッピングを流用してたんだなということもわかったりします。

この二冊、一日違いで発売されているので、まぁそういうことを狙って同時発売みたいにしてるんだろうなと思うじゃないですか。
初期の三部作の「まないたにりょうりをあげないこと」「りょうりをしてはいけないなべ」「コックのぼうしはしっている」でも、まな板や鍋は他の作品にもこっそり出てきたと、手塚治虫的スターシステムとでもいうような手法なんだろうなと思うわけです。
でも、この二冊なんですが、「ラッキーカレー」は小学館、「カレーはあとのおたのしみ」はえほんの杜、ということで、作者は一緒なんですが、出版社は別々なんです。

そういうやりかたもあるんだなとかなりびっくりしてしまったわけなんですが、たしかに本のサイズは微妙に違うし、名前のフォントも違うので、二冊並べてみるとちょっと違和感はあります。それにしても、そういうやり方もあるんですね。

そんなわけで、なかなかおもしろいシステムとなってるこの二冊、それぞれ読んでもおもしろいですが、二冊まとめて完全版となるので、ぜひ二冊まとめて読んでみてください。

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