ブタベイカリー 作 角野栄子 絵 100%ORANGE 出版 文溪堂
ブタベイカリーは移動販売のパン屋さん。街の1丁目から3丁目まで日替わりで販売にでかけているある日、あるはずのない4丁目にしっぽパンをたくさん売りに来てほしいという謎のお客さんが現れました。
「ベーコンエピ」ってパンが好きです。初めて食べたときには、ベーコンの味しかしないなと思ったんですが、エビじゃなくてエピなんですね。
お、エビじゃーん!と親近感を持って食べたのですが、すっかり騙された気分でした。
それでもパンはフランスパン系の硬いのが好きなので、エビじゃなくても好きです。ベーコンエピ。明太フランスも好きです。
ちなみに、エピ(epi)というのはフランス語で「麦の穂」なんだそうです。そう言われたら麦の穂っぽいですね。
ブタベイカリーの主人のブタさんは、動物のブタじゃなくて、単なる太ったおじさんです。ブタさんというのが本名なのか、ニックネームなのか不明ですが、生まれた時からブタさんだとしても、豚に似てるからと後で名付けられたとしても、どちらにしてもちょっと失礼な話ですね。
それでも、店の名前をブタベイカリーにして、ブタのはなパンやしっぽパンをつくっているんだから気に入っているんでしょうね、まぁいいか。
ブタさんが町にパンを売りに行くってだけなの話で、そんなに話に広がりがあるわけじゃないんですが、優しくってかわいい感じの話です。
ブタさんが、行く先々に合わせて、商店街では野菜や魚、グラウンドではボール、テレビ局ではマイクやメガホンなんていろんなパンを作ったりするんですが、毎回残ったパンをのらいぬさんとのらねこさんが半分ずつ買うなんてのが非常にかわいいです。
パンはすぐ売り切れちゃうみたいですが、1丁目から3丁目まで日替わりでまわって、週に1日4丁目もまわるってことは、やさしいブタさんのことです、みんなのために多分毎日オープンしてるんでしょうね。でも、ちょっと働きすぎじゃないだろうかと心配になります。
作者の角野栄子さんは「魔女の宅急便」の作者なんですが、あーそうか! いまの魔女の宅急便の表紙のイラストって100%ORANGEさんが書いてるんでした、今思い出した。
なるほど、それでこういう組み合わせなのねと思いつつ、でもこのかわいい絵柄がぴったりだと思います。
自分の声ではあまりイメージじゃないんで、女性のちょっと高めの柔らかい声で読んでるのが聞きたいですね。ほんとかわいい絵本です。