デリバリーぶた 作 加藤休ミ 出版 偕成社

「今日はアレがたべたいな」と願えば、食べたい物を運んでくれる。海を超えて、山を超えて、時空も超えて宇宙まで、自転車に乗ってデリバリーぶたがやってくる。

ウーバーイーツ、まだまだ田舎民には縁が遠くて、岐阜県内ではまだ岐阜市の一部しかエリアになっていません。恵那にはまぁ、今後もくることはないでしょうね。

代わりに、というかそもそも昔からの出前は存在してまして、役所時代は忙しい部署にいたときには、残業時にはたびたびお世話になっていました。昔ながらの「岡持ち」で持ってきて、食べ終わったら食器などはその中に仕舞い、翌日に回収に来てもらうというスタイル。
ウーバーイーツとくらべて、自前で配達してくれるところなんて少なくなる一方です。今でも多少はあるとは思いますがどうなんだろ?

デリバリーぶたが出版されたのは、2021年なので、タイミング的にはコロナ禍におけるウーバーイーツを始めとしたフードデリバリーにヒントを得たんじゃないかと予想されます。

だとするとランドセル型のバッグかと思いきや、見た目はなんだか岡持ちっぽい? でもどうやら上蓋タイプで、中には揺れ防止でネットが張られているようです。こういうのが存在するのか?はたまた作者の創造物なのか、ちょっと謎。

そんなわけで、ぶたがデリバリーでもってきてくれた美味しそうな食べ物がばーん!と描かれているんですが、これがいわゆる「飯テロ」でめちゃめちゃ美味しそうなんです。

焼き鳥の炭火が飛んで焦げて点になってるところとか、ラーメンのスープの澄み具合と浮いた油が麺にからみつく感じ。アイスクリームに散りばめられたカラフルなチョコスプレーの輝き、器具でできた凹凸の再現。これってほんとにクレヨン画?さすがにコレは写真を貼り付けてるんでしょ?と思って顔を近づけてまじまじと見たんですが、どうやらほんとにクレヨンで書いてるっぽいです。ちょっと手抜きなんじゃなかろうかと思うくらいの人の顔と比べると、食べ物の書き方の気合の入り方が違うってことなんでしょうか?

焼き鳥の炭焼き独特な焦げ具合と、チョコと抹茶アイスの立体感は本当に必見です。見れば言ってることわかると思いますのでぜひ読んでみてください。

そういえば、以前にレイクウォーク岡谷に出演したときに、近くの美術館で加藤休ミさんの展示会をやってたんですよね。帰る途中に気づいて、ちょっと時間がなかったのでスルーしてしまったんですよね。なんか用事があった記憶なんですが、こんな感じの間近で見られるんなら見に行きたかったなぁと今更ながら思ってます。

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