2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ? 作 クリス・ウォーメル 訳 はたこうしろう

大きな池のまんなかに、二匹のかえるがいた。一匹はぼうきれをかかえている。「なんでまた そんなぼうきれをかかえてるのさ?」と聞かれ、こう答える「犬が襲ってきたら、こいつでバンバーンってやっちまうのさ」

学生の頃は、星新一や筒井康隆のショートショートが好きでよく読んでいました。藤子・F・不二雄のSF短編みたいなのも好きだったなぁ。

短い中でもどんでん返しがあり、感心してしまうような、見事なオチがある。そんな作品が好きで、一時期は貪るように読んでいた気がします。

この「2ひきのカエル」を読んだ後に、そんなことを思い出しました。

表紙のイラストが、棍棒のように棒を持つカエルなもので、そうみせかけて、たまたま持ってるだけとか、なにか別の便利な使い方のために持っているんだろうと思って読んでみたんですが、犬が来たらバンバーンとやっちまうという暴力的な使用方法にびっくり。

池の真ん中には犬なんか来ないから、カワカマスかアオサギに食べられる心配をしろよ、といってるところでカワカマスとアオサギに襲われ、棒のお陰で間一髪難を逃れるわけですが、本当はその後に。。。というところが、実にショートシートっぽくって、いや落語っぽいのかもな、ともかく面白いです。

ちなみに、原作のタイトルはシンプルに「two frogs」

Amazonで辿ってみたら、スペイン語にも訳してあって、そちらは「dos ranas」dosが2 ranasはカエルだそうです。関係ないんですが、覆面レスラーのドスカラスのドスはこのドスなの?と思ったらドスカラスは「2つの顔」という意味なんですって!初めて知った!

日本語訳では「そのぼうきれ、どうすんだ?」がついていますが、これについては、新美南吉の「にひきのかえる」と混同しないようにということなのでしょうか。

新美南吉の作品は、道徳の教材になるようなお話ですので、落語のようなこちらの話とは全く違ってきます。そりゃ間違えて読んだらどっちからしても困りますもんね。

おすすめの記事