王さまライオンのケーキ 作・絵 マシュー・マケリゴット 訳 野口絵美

「自分のぶんを とってまわしなさい」王さまライオンに言われた象は、ケーキを半分に切ってまわします。次のカバも、半分に切って回し、次のゴリラも半分に・・・

3年くらい続けて呼んでいただいている幼稚園があるのですが、そもそもコロナの真っ最中だったために、外部の人を頻繁に園に入れることができないけど、なんとかやってもらいたいので、防災訓練のときに消防署の方たちとまとめて手続きを取るようにしたい。それにともなって、防災の絵本か紙芝居を呼んで欲しい。という依頼でした。

防災の絵本や紙芝居なんてたくさんあるから、そんなの探すの簡単だろうと安請け合いをしたのですが、これがまた思ったよりも大変でした。

何が大変って、読む本を探すのが大変。探すの簡単だと思っていたんですが、大体の防災のお話って読んでて面白くないんですよね。絵本も紙芝居も、どれもほんっとに面白くない。監修◯◯ってなってて、専門家がついてるものほど面白くない。

まぁ、なんとなくわかるんですけどね。専門家からしてみたら、これも必要だし、これを言うのならこれも無くてはいけない。そんな専門家からの要望があったのでしょう。伝えたいことが強すぎて、物語の面白さというのが二の次になってるものが多いように思います。

元職場の図書館でもお願いして手伝ってもらって探したんですけども、なかなかなくって、これならなんとか・・・というのを読みました。こんな話はもう無いだろうしと思ったら毎年お話しいただくので、そのたびアタフタするんですけども笑

そういうわけで、この「王さまライオンのケーキ」も「算数が楽しくなる絵本」とあるので、あまり期待をしていませんでした。

読んでみると、たしかに説明っぽいところはしっかりあるんですが、ストーリーとして必要な説明としてうまく落とし込まれています。

ケーキは半分ずつに切られてしまって最後にはほんのちょびっとになってしまうんですが、最後にもらったアリがお礼にケーキを1つ渡すと言うと、対抗してその前のコガネムシが倍の2つ、そして倍の4つ・・・と倍々に増やしていきます。

半分にしていくところは、あっさり書いている感じですが、倍々にしているところではかなり詳細にかかれています。それを見ると、半分半分となっていたものも、実はこんなに差があったのか!と気づくことができるというわけです。

果たして他の動物たちは、ちゃんとケーキを作って持っていけたのでしょうか? 最後の象で256個。そんなにケーキ焼けるんだろうか。全部作るとお城には512個のケーキが集まるということに・・・王さま食べられるのかな?ちょっと心配になりますね。

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