もっとおおきな たいほうを 作 二見正直 出版 福音館書店

先祖代々伝わる立派な大砲を打ちたくて仕方ない王様は、魚を取りに来たキツネを追い払うのを口実に大砲を持ち出します。しかし、なんとキツネが更に大きな大砲を持ってきたものだから、それに対抗して王様は更に大きな大砲を持ち出します。加熱する大きさ比べは、派手さ、形の面白さ、数の多さと更にエスカレート。しかしキツネの大砲は実は枯れ葉に魔法をかけたもの。まんまとキツネに騙された王様に残されたのは大小様々のへんてこな大砲でした。

絵本はネットで買うことが多いので、大抵は中身を知らずに買うことが多いです。
コロナの前は大きな図書館に行って、半日くらい物色することもありましたが、なかなか行きづらかったりしてましたのでそれもできていません(もうそろそろいいかな?)。

そういうわけで、手元に届くまでわからないので、なんとか面白い絵本でありますように!と祈りながら購入ボタンをポチりと押すわけです。

様々なサイトのレビューなんかを確認してから買うので大体は期待通りですが、うーん、ちょっと期待が外れたな、と思うこともありますが、稀に「こいつは大当たりだ!」と思うこともあります。今回はそれ。大当たりでした。こういうことがあるから絵本を買うのは楽しい。

多分図書館で探しているときに見かけて入ると思うんですよね。
でも、手に取らなかった。なんでかなーと思うんだけど、たぶん、古い外国の絵本なんじゃないかと思ってたんじゃないかと。「大砲」がでてくるのってなんか海外っぽくないですか?

あと、背表紙が地味。この内容ならもうちょっと背表紙がにぎやかな感じになってればいいんだけど、あっさりし過ぎ。

ね? こんな感じ。

まさかの作者が日本人。絵もなんか漫画っぽいヘタウマな感じ。読めば作者が日本人だとわかっただろうになぁ。

大砲というと戦争批判みたいな内容のように思えますが、それだけじゃなくって、競争社会、人より上であろうとするマウント合戦など、相手に対抗してもっともっと!とエスカレートする争いが、いかに愚かなことであるかということをいい感じにコミカルに馬鹿にしてくれます。

描き方によっては、悲壮な感じだったり、反戦の思想が強く出てもおかしくないようなないようなんだけど、非常にカラッとしていて後味がいいのが気に入りました。

あと、読み聞かせで読んだら盛り上がりそうなのがいいですね。超おすすめですよ!

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