公言したわけじゃないけども、なんか木曜日に更新することになりつつあります、絵本の紹介です。

でんしゃはうたう 作 三宮麻由子 絵 みねおみつ 福音館書店

クックドゥルドゥー
ココリコ
キケリキー
キッキリキー
コケコッコー

同じ鶏の声も、国が違うと表現が違ってきます。

上から、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、そして日本語です。どれが一番本物っぽいか? 口に出してみると、結構それっぽく聞こえるもんです。

同じように、電車といえば、誰が決めたか日本語では「ガタンゴトン」ですよね、でもこの本では、その音が、聞こえるままの音で表現されています。

線路を走る「とだっとおーん どだっととーん どだっととーん」

線路の切れ目を通る「たたっ つつっつつ たたっ つつっつつ どどん」

踏切がちかづく「ねん ねん ねん ねん」

電車がすれちがう「ぼっ しょん しょん しょん」

耳に入ってくる音を、できるだけそのままの音を言葉として表現しています。

文字にすると、なんだか見慣れない言葉だけど、音にしてみるとわかります。ああ!そうそう、そんな音してるわ!って

「でんしゃがまいりまあす」で絵本がはじまるのですが、「まあす」とするところなんかは、車掌が言う音をそのまま表現しようとした結果じゃないでしょうか。

ガタンゴトンだけでなく、電車の中はいろんな音で溢れていて、組み合わさるとまるで歌のようにってことだと思うんですが。そう思うと、電車からでる音というのが、とても華やかな音楽のように感じられます。

これを読むと常々感じるのですが、「中川家」の礼二に読んでほしい!
きっとめちゃめちゃリアルに読んでくれるんじゃないかと思うのです。聞いてみたい!

実は、作者の三宮麻由子さんは、子供の頃に視覚を失ったんだそうです。
視覚情報を排除して、純粋に聴覚からだけ感じられる音をそのまま表現したんでしょうか、目の見えない作者だからこそできた表現なのかもしれません。

こちらも同じく三宮さんの作品です。こちらは、ごはんを食べているときの音がテーマです。

「カコッ ホッ カル カル カル カル カル」

なにを食べてるときの音だと思いますか?

正解は「春巻き」でした。

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