「さんま・玉緒のお年玉あんたの夢をかなえたろかスペシャル」という番組があります。

視聴者から寄せられた夢が、選ばれればその夢を叶えてもらえるという内容です。

今年の放送が先日あったのですが、「大好きな新日本プロレスの棚橋弘至選手に3カウントとられたい」という女性が出演していました。

 

試合を観に行けないと棚橋不足で手が震えるほどの彼女が、気持ちを高めるために、2週間もの間グッズを手放し「棚橋断ち」を行ってまで望んだ試合。

ただ、マットの上で3カウントを奪われるだけではない

絶対的正義の棚橋選手が、最高に輝いた上で自分が3カウントを取られるために、彼女が選んだのは「自らがヒール(悪役)になる」という道でした。

ヒールレスラー「ダークベア翔美」として、永田裕志とタッグを組み、棚橋弘至、小島聡組とリングで向かい合います。

あれは本当に、棚橋愛と、プロレス愛に溢れたすばらしい試合だった。

大好きな棚橋選手とリングで向かい合うことで、溢れて出てくる素の自分を押さえつつヒールレスラーとして振る舞い、3カウントをカットした永田選手に食って掛かり、小島選手にはお株を奪う「いっちゃうぞバカヤロー」。

スリーパーホールドのようなバックハグで、ダウン寸前になりながらも、最後は無事に3カウントを奪われて夢達成していました。

暴走したアイドルファンの話題がニュースになっていますが、プライベートに踏み込んで仲良くなりたいというものではなく、自分の夢も叶えつつ、大好きな棚橋選手が最高に輝く舞台を作るというのがなんとも素晴らしい、ファンの鑑のような方でした。

 

そして、リングで最初に向かい合った時のダークベア翔美のマイクアピール。

「覚えてるか?3年前。私に初めて言った言葉だよ。サイン会で、肌が透き通るように白いねって! 美白グッズ買い込んじゃったじゃねーか!」

いかにも棚橋選手がいいそうなことですし、本人はそんなこと覚えてもいないでしょう。

でも、ファンからしたら、その一言が忘れられない一言になってるんですね。

僕もそうなんですが、ショーのあとに握手会でもすれば何十人と握手をし、何人かに話しかけていただくのですが、ショー自体は年間に数百回(今年に入ってから数えても26回になりました)しています。

1日で3回ショーをやれば、3回のうちの1回という意識になっちゃいがちなのですが、ファンの方からしてみたら、その1回が全てなわけですよね。

一期一会
1回1回のショーを、そして出会いを大事にする心をわすれてはいけないなと、改めて気づかせられました。

 

ありがとう、本当にいい試合でした。

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