おいしいぼうし 作シゲタサヤカ 教育画劇

おじいさんとおばあさんが木の上に何かが引っかかってるのを見つけます。
焦げ茶でまーるく平べったい、つやつやしていてぺとぺとしている謎の物体。おいしそうだから二人で食べちゃったら、夜中に、帽子を落としたプリンが泣きながらやってきた・・・

超大好きなシゲタサヤカさんの絵本です。

今日の保育園での公演では、同じシゲタサヤカさんの「コックのぼうしはしっている」を読んできましたが、これもよく読ませてもらっています。

ちょっとまえのマクドナルドのハッピーセットのおまけの絵本の「ラッキーカレー」もシゲタサヤカさんの作品ですね。これを見たことある人も多いかもしれません。

表紙の画像を見てわかると思うのですが、ちょっと古いのか、新しいのかよくわからない絵柄です。絵のクセがつよくて、実は最初はちょっと敬遠してました。

なんのタイミングだったのか、たまたまこの「おいしいぼうし」を手にとったわけですが、こ、これはおもしろい!となりまして、次々と作品を買ったので、ハッピーセットのおまけの「ラッキーカレー」以外は全部揃っています笑。

帽子をなくしたプリンのために、カラメルソースを作って新しく帽子を作ってあげてめでたしめでたしという展開なのですが・・・
二人の前で号泣するプリンは事情を知っててわざとやってるようにも見えますし、プリンが帰ったあとに、残ったカラメルを美味しそうに食べるおじいさんとおばあさんには、結局反省の色が見えません(笑)

そして、この本、細かい書き込みがとっても面白いんです。

割と最近の絵本に多い傾向のように思いますが、かなり意図的にやってるように感じます。
じっくり色んな所を見てみると、いろんな発見があります。

・猫が常にカラメルを狙い続け、プリンが来たらこっそりプリンを舐めまわしています。

・家中から引っ張り出してきたトンガリ帽子、最後はなぜかおじいさんがかぶってるんですが、枕元の孫の写真もこの帽子をかぶっています。

・プリンが扉から出る際に、扉の枠にカラメルが擦れてびっちょりついてしまっています。とれちゃわないかと心配しちゃうくらいです。

・半泣きのプリンをコーヒーとバナナでもてなすのですが、手を付けなかったバナナを土産代わりに渡したようで、プリンはバナナを持って帰っています。

ここらへんは、物語の中では一切語られていません。絵でのみ書かれていることです。
すべてを言葉で言い尽くしちゃうのは野暮ってもんで、こういう想像の余地があると、書かれていること以外の物語をいろいろと考えることができますし、何度も読むたびにいろんなところを発見できるという楽しみを作ってくれてるんじゃないかと思います。

ぜひじっくり、手にとって読んでみてください。超オススメです。

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