おやすみロジャー 作 カール=ヨハンエリーン 出版 飛鳥新社
ちょっと気になっていたんですが、どうせつまらない内容なんだろうなと思っていたんですが、案の定ぼやぼやっとしたつまらない内容でした。
絵本と言う割に絵も少なくて、貧弱なうさぎが主人公。登場人物もなんかぼやっとした顔をしています。
副題には「魔法のぐっすり絵本」。そして帯には「たった10分で寝かしつけ」とあります。
ページをめくると「車を運転している人のそばで絶対に音読しないこと」とあったり、太字は強調して、色文字はゆっくり、【あくびをする】【なまえ】で子供の名前を呼ぶ、などの読み方の注意や指示があったりします。
ワクワクして先の展開が楽しみで胸が高鳴ることのないように、可愛い登場人物に興奮することのないように、ストーリーはわざとつまらなく、そしてわざと魅力のない主人公にしているんだと思われます。しかも、つまらなさすぎると腹が立つから、程々のレベルにしてるんじゃないかとも想像します。
考え事を取り出して枕元の箱に全部いれてしまおう、とか、足首から頭まで順番に力を抜いていくように指示をするところがあったり、あ、聞いたことがあるぞっていうような寝付きをよくするための行動をお話の中にとりいれたりしているのがわかります。
こういうのも催眠術の一種で、心理的な誘導を行うことを目的としたということなんでしょうね。物語としてはちっとも面白くないのですが、存在としては、そういう目的もあるのかという点からしたらなかなか面白いですね。
いや、そもそもこれを一般的な絵本というカテゴリーに分類するよりも、こいつは実用書とするべきなのかもしれません。
本を通して、子供の心理をコントロールして寝かしつけるというと、なんかちょっと嫌な感じがしますが、そもそも、ドキドキさせたり、ワクワクさせたりする描写というのも心理的な誘導であると考えると、こういうのもまぁありなんだろうな。
物語を面白くするテクニックがあれば、つまらなくするテクニックもあるのかと思うと、なんとまぁ世の中はひろいもんだな。
ちなみに、僕の寝付きをよくするためのコツをお教えします。
100万円を手元に用意したと想像をして、市内を買い物しながら100万円を使い切るための想像します。
適当に高いものを買うんじゃなくて、一応欲しい物を順番に買っていくように想像します。10万も使えないうちに寝ちゃいますので、ぜひお試し下さい。