でんごんでーす 作 マック・バーネット  絵 ジェン・カラーチー 訳 林 木林

ピーターに伝えてくれないかしら「ばんごはんだからかえっておいで」って
鳥たちはピーターに向けて順番に伝言を伝えていきます。でもそれはだんだん変わっていって・・・果たしてピーターは晩御飯に間に合うんでしょうか?

先日紹介した「おおかみのおなかのなかで」これがめちゃめちゃおもしろい作品だったんですけど、こちらも同じマック・バーネットさんの作品です。

結構有名な作品だったなということに、買ってから気づきました。検索してみると結構いろんなところで読み聞かせに向いた絵本だという紹介があります。うん、たしかにたしかに。

一羽ずつ伝えるごとに、どんどん言葉が変化していって、果たしてちゃんと伝わるだろうかと、ハラハラはしないだろうけど、笑えて盛り上がりそうです。

電線に止まった鳥たちが順番に伝言を伝えていきます。よく見ると最初と最後の俯瞰のシーンでは、登場する鳥たちが順番に電線に並んで止まっているのがわかります。どれがどの鳥?とシルエットを見てみるのも楽しそうですね。

「でんごんでーす」というタイトルなんですが、果たして原書ではどうなの?と疑問に思ってしらべてみました。「Telephone」ですって。

Telephoneって電話でしょ?と思ったんですが、どうやらアメリカでは伝言ゲームのことをTelephone Gameといい、単独のTelephoneでも伝言ゲームのことを指すことがあるそうです。電線に止まっているというところも、その暗喩みたいな感じなのかもしれませんね。

中身はどうなのかと思ってみたんですが

日本語訳では「ばんごはんだからかえっておいで」から「ばんごはんだから、早くホームランを打ってかえっておいで」に変化していくんですが

英語だと「fly home for dinner」が「hit pop flies and homers」となってます。「飛んでお家にもどっておいで」が「ポップフライとホームランを打つ」になるわけです。ちなみにポップフライってのはふらふらーっと上がった打球みたいな感じ。内野フライ、運がいいとポテンヒットになるような打球のことです。

そこで気づいたんですが、要は海外の駄洒落を使った絵本なわけですよ。海外の有名な作家による人気のある本だから、と日本語版をつくることになったんでしょうけど、これってめっちゃめちゃ大変だったんじゃね??と

ロックスター→ロブスター→モンスターみたいなのは日本語でもなんとかなりそうですが、初っ端の家とホームランは日本語ではどうにもなりません。きっと翻訳するには頭を抱えたことでしょう。

そう思いながら原書を読みすすめてみると(というかyoutubeで探した)、衝撃の事実が・・・ これって翻訳なのか・・・半分以上は新たに考え出さなければ成り立たない感じ。訳じゃなくて共著とでもいわないといけないくらいのような・・・

ちなみに訳者は林木林と書いて「はやしきりん」さんです。うちの近所に林木材があるのでついつい読み間違えてしまいます。
作者のサイトを見てみたらプロフィールに

詩人、絵本作家、創作言葉遊び作家、ダジャレーヌ、女流オヤジギャク作家

https://kirin.hp.peraichi.com/

とありました。なるほど、だからなのね!と合点がいきました。でも、なかなか大変だったんじゃないかと思います。気になる方はTelephoneとMac Barnettで検索して調べてみてくださいね。

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