ねことことり 作 たてのひろし 絵 なかの真実 出版 世界文化社

「そこにあるこえだをすこしわけてもらえないでしょうか」小枝を束ねる仕事をしている猫のところに小鳥がやってきました。毎日一本だけ分けてあげる約束をすると、小鳥は毎日猫と元に通うことになり、次第に猫と小鳥は仲良くなっていきます。

猫は、こぶしの小枝をきれいに束ねることが仕事です。いわゆる内職ということですね。

はたして、束ねられた小枝はどうつかわれるのでしょうか。きれいに束ねるのが仕事というくらいですから、燃料にするわけではなさそうです。材質が硬いそうなので、お箸にでもするのかもしれませんね。

内職する猫ってどっかで見たなと思ったら以前にも紹介したねこのセーター

これでは、ねこは「どんぐりに帽子をかぶせる」ことを仕事にしていました。謎です。

表紙だけ見てもよく分かると思うですが、絵がとっても素敵です。

たくさんの花に囲まれた猫の家の絵では、花の匂いが漂ってきそうな感じ。
昨年出版の絵本なんですけど、今だったら「らんまん」の牧野富太郎ブームに乗っかれるかもしれません。それくらい書き込まれているように見えます(素人目には)。
きっと、グーグルレンズで・・・じゃないな、ここは植物図鑑でも持ってきて調べてみたら花の種類もわかりそうです。

あと、あまり共感されないと思うんですが、表紙のタイトルのフォントとその配置が好きなんです。

「ねことことり」と横にしちゃいそうなところを

ねこ
 と
ことり

と三段に、しかも絵との組み合わせで、ここしかないというスペースに、控えめに収まってる感じが素敵です。

また、フォントがパソコンからプリンターで出力されたような、普通のぱきっとした明朝体じゃなくって、活版印刷のインクのにじみを表現したようなフォントをつかっているのが、なんともアナログな優しい感じがして、作品のイメージにぴったりに思えます。
すいません、ちょっとわかりづらいですよね。

このねこ、花に囲まれた一軒家に住んでいるものの、花の香りはわからないんだそうです。その点についてはすごくさらっと触れられているだけでちょっと不思議に思ってたんですけど、どうやら次回作の構想の中に入っているらしくて、きっとその点も明らかになるんじゃないかと思います。

ネットで見つけたインタビュー記事ではまだ決まってるわけじゃなさそうなんですが、続きがどうなるのか期待してます。

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