ごちそうたべにきてください 咲く 茂市久美子 絵 しもかわらゆみ 出版 講談社

ごちそうするのが大好きなうさぎは、秋になるとたくさんの木の実や果物を集めて、森の仲間たちを招待してごちそうを振る舞います。うさぎが「ごちそうたべにきてください」と手紙を書くと、リスやねずみやくまなど、つぎつぎにやってきます。

この絵はどっかで見たこと有るぞと思ったら、「ほしをさがしに」のしもがわらゆみさんでした。

うさぎが葉っぱに手紙を書いて、いろんな動物たちがつぎつぎにうさぎのごちそうを食べにやってくるという非常にファンタジーなお話なんですが、絵はとってもリアル。毛の一本一本まで、うさぎの毛のつるっと艷やかさや、リスのしっぽのふわふわ感まで、非常に細かく描かれています。

動物たちの顔も、非常に表情豊かに描かれているんですけども、それがギリギリありそうな感じ。
自分も犬(わごむちゃん)を飼っていますが、写真を撮るとちょうど笑っているようだったり、怒っているようだったり、困っているようだったりする写真が撮れるときがあります。
たまたま、口角が上がっていて笑っているように見えたり、角度でそう見えてるだけで実際はそんなことないってことが多いんですが、たまたまそんな風にみえるみたいな。
そんないい瞬間を切り取ったくらいの、ギリギリの線を攻めてて、それがまたかわいいです。

絵はリアルなんですが、行動はファンタジーなもんですから、ちょっとびっくりします。悪い意味じゃないですよ。トムとジェリーだったら喋っても二足歩行で歩いてもおどろかないんだけど、ピーターラビットの映画だと、CGのリアルな動物たちが歩いたり喋ったりしててびっくりするじゃないですか、そんな感じです。

絵もかわいいんですが、お話も、動物たちがただただかわいくって、うさぎが田舎のおばあちゃんレベルで気前がよくって、年がら年中お友達に振る舞ってます。木の実をたくさん用意したところに蝶が来たときはどうするのかと思ったものの、すぐにお花畑に連れて行ったりして大変平和。最初から最後までずっと平和な優しいお話です。人間が行ってもきっとなにかごちそうしてくれそうです。何食べさせてくれるのかな~?

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