生まれたときから一緒の猫と少年

猫の「おれ」の方が早く大人になったからと、「おれ」が兄貴だ、と少年を弟扱い。
最後まで飼い主のニンゲンではなく、自分(猫)と同等の弟として扱う猫目線なのがいいね。

大人向けの絵本というと、いかにも感動させよう、泣かせようという体のものも多くて、これも最後に猫が死んじゃうのかなぁとちょっと心配でした。

感動する絵本も沢山あって、そういうのももちろん好きなんだけど、感動させるために猫を殺しちゃったら、それはそれでちょっと違うじゃんって気もするわけです。

当然、死は必ず訪れるもんですし、そういう実話でということならいいんですけど、順序が違うというかさ。物語があって、結果として感動するのはいいんですよ。感動させるから逆算して、そのために死を題材にするってのはね、まぁいわゆる「感動ポルノ」というものに類するんじゃないかと。

これはそんなことないから安心して読めます。
猫と少年のたわいのない普通の生活、一人と一匹の成長過程が、自分の子供でも、自分の家の猫でもないのに、書いてないことまでいろいろ想像できちゃって胸が熱くなります。

Amazonの段ボールがnyamazonになってたり、PumaがPunyaだったり、Appleのリンゴが猫だったり、こういう小ネタは大好きです。他にもあるので読んだ時には探してみてください。

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