ホームランを打ったことのない君に 作 長谷川集平 出版 理論社
野球でちっとも打てない僕が、野球部出身の仙ちゃんと出会う。大切なのは地道な努力をコツコツと続けること。まずはヒットから。いつかホームランを打つために。
WBC盛り上がりましたね。
あそこまでやられると本当に漫画みたいというか、漫画でもこれはやり過ぎと編集者からダメだしを食らうような展開の数々。現実はドラマのようにうまくいかないなんて言いますが、ドラマよりも現実が上回るという稀有な体験ができたように思います。
いやー、今回明らかに最終回じゃん?
これ以上のドラマって作れないくらいに盛り込みすぎちゃって、次回の主人公は絶対にかなわないんじゃない?と心配になりますね。
「ホームランを打ったことのない君に」じゃないんだけど、村上も最後の最後でやっとのことでホームラン打って見事に蘇ってくれました。どうせ駄目だと思ってました、ごめんなさい。土下座して謝ります。
村上はいつもホームラン打ちまくっていたのが調子悪くて打てなかったわけですが、この「ホームランを打ったことのない君に」の主人公のルイは、ホームランを打ってみたいんだけど、この前の試合でもホームランを狙ってみたもののセカンドゴロでダブルプレー。まだ実力が伴わなくて打つことができません。
諦めそうになるルイに、高校の野球部でレギュラーだった仙ちゃんが言います「始める前から諦めるのかい。夢見るだけにしとくのかい。やってみないとわからんだろう。おれだってまだ諦めてない」。そしてルイは家に帰ってから、実は仙ちゃんは怪我してリハビリ中だということを母親から聞かされます。
仙ちゃんの言う「地道な努力の積み重ね」というのは、ホームランを打つことだけじゃない、ルイに言いつつも、自分にも言い聞かせているような、そんな言葉に聞こえてグッときます。
対象年齢は、小学校の中学年以上くらいでしょうか。しかも野球やってないとちょっとむずかしいかもしれません。一昔前だと何でもかんでも野球が一番でしたが、今はそうでもないですよね。どれくらいの子供が理解できるのかなぁとちょっと心配になったりします。
ちなみに、4-6-3のダブルプレーと言われたって、野球知らない人にはなんのことだかわからないですよね?
念のために補足しておきますが、野球というのはポジションに番号がついています。
4はセカンド 6はショート 3はファースト
セカンドに転がったボールを、二塁にカバーに入ったショートに投げて二塁がアウト、ショートが一塁に投げてアウト、というのが463のダブルプレーなわけです。
ショートに転がったボールを二塁に投げて、だと643のダブルプレー、うーん、ちょっとむずかしいかな。
そもそも自分も野球やってて、このポジションの番号は納得がいかなかったです
時計回りに一塁から345と番号が付いてるかと思いきや、ショートで戻ってるし、しかも外野は反時計回りに番号がついている。うーん、ちょっと気持ち悪い。
ま、ここまでわからなくてもなんとなく雰囲気で大丈夫なんですが、ルールを知ってるともっと楽しく読めるんじゃないかと思います。WBCを機会にぜひどうぞ。