パパのしごとはわるものです 作 板橋雅弘 絵 吉田尚令
学校の宿題で「パパのしごと」を調べるために、パパにこっそりついていくと、向かった先は大きな体育館。
プロレスのリングの上で向かい合う、正義のヒーロー「ドラゴンジョージ」と悪役「ゴキブリマスク」、卑怯な手でドラゴンを痛めつけるゴキブリマスクをよく見てみると、なんと・・・
最後に語られる
「わるものがいないと正義の味方が活躍できないだろ?」
なかなか難しい言葉だと思います。
子どもにとってはプロレスの悪役って絶対的な悪役で、「実はあれだけやりあっても正規軍と悪役はバスは一緒になって帰るんだぜ」ということを衝撃的な情報として語られるじゃないですか。
悪者が実は父親で、でも本当は悪くなくって、みんなのために悪者をやっている。
なかなか理解できないことだと思いますし、ここの扱いを誤るとプロレスファンからもそっぽを向かれるところだと思う。
「わかんないけど、わかることにする」
と、無理やり納得したことにするってのは、実際そうでもしないと腑に落ちないところはあるんじゃないかと思う、でもなんだかプロレスに対する愛も感じられていいですね。好きです。
なんにしても、悪役だって仕事を頑張るお父さんはかっこいい!
ちなみに、作者の板橋雅弘さん、イタバシマサヒロと書いたら、なんかどこかで見たことあるかもって方、いませんか?
1990年代、週刊少年マガジンで連載されていた「BOYS BE...」
ジャンプがドラゴンボール、ジョジョの奇妙な冒険、スラムダンクで黄金時代を築く中で、対するマガジンは、カメレオン、湘南純愛組などのヤンキー漫画と、ちょっとエッチなラブコメ路線で読者をひきつけていました。
そんなわけで、甘酸っぱいラブコメで(もっとエッチなのは他にあった)マガジン読者の少年たちをドキドキさせていたのがこの「BOYS BE...」なのですが、その原作がイタバシマサヒロさんです。
ちなみに、「パパはわるものチャンピオン」「わるものパパのだいだいだーいファン」という続編も出ていまして(絵は1,2と3作目で作者が違いますね)、映画化もされています。
映画の主演は百年に一人の逸材「棚橋弘至」がゴキブリマスクを演じています。そして、対するドラゴンマスクをレインメーカー「オカダ・カズチカ」が演じています。
絵本を読んでもらえるとわかるのですが、ドラゴンジョージは明らかに棚橋をモデルとして描かれている感じです。そのまま棚橋をドラゴンマスクにするのかと思いきや・・・
絵本を書いた当時のトップは間違いなく棚橋ですし、映画化時点の2018年のトップだとオカダカズチカになるということだとは思うんですが、なんだか釈然としません。。。まぁいろいろあるんだとは思いますが笑