公園であそぶ子どもたち、手を繋いで家に帰る親子の笑い声、小石を蹴ったあの子のふくれっつら、ゆうやけはよろこびもかなしみも、すべてを包み込んで、空にとろとろとけていく

数年前から「エモい」なんて言葉が使われるようになりました。若者の使う言葉で一時的なものだろうと思うかもしれませんが、そもそも漢字だって外来語で、それを組み合わせながら日本語は変化してきたわけです。

関係ないけど「草」なんかも面白いですね。笑った表現をするのを、笑、藁、ワラなんてするあたりから、wに変化して、wwwと複数並べる表現を、草が生えたようだと見立て、更にそれを略して草としたわけです。適切なものを思い出せないのですが、古文をやっていると、こうやって言葉遊び的に言葉が変化する事例っていくつかあったはずです。思い出せませんがwww

エモーショナル、心が揺さぶられるとか、感情的になるだとか、そんな意味になるんでしょうが、その環状を表す言葉が現代に存在しないので、英語を交えて創造し、更にそれが時代に受け入れられたというのは面白いものだなと思います。

エモいを表す言葉が現代に存在しないかもしれませんが、これもまた古文で考えてみると「いとおかし」だったり「もののあわれ」なんだと思います。
パリピの清少納言が、だんだん明けていく早朝の山の写真をインスタにあげて「超エモい♡」って言ってるみたいなもんです。

「ゆうやけにとけていく」も大変エモいお話です。

それぞれの絵からいろいろと想像は膨らみますが、詩にあわせて描かれたみたいなもので、ストーリーというのは特にありません。

ちょっとノスタルジックな感じに描かれた絵をじっくり見ていると、ああ、そうそう、そうだったと心にひっかかるところがあります。緑色の羽で本体も緑の扇風機、ナップサック、コンクリート塀の3つの半円が重なったようなブロック、すりガラスに描かれた光った星のような模様、ところどころで古い記憶の琴線が触れられ、弾かれていくような、そんな気がしました。こういうのがまさに「エモい」というのでしょう。

こっそりと太陽に表情があって、ふくれっつらの少女の前では頬を膨らまし、遊びまくっている子どもの前ではニコニコと、手を引く親子は優しい視線で見守ってます。ひっそりと目立たぬように、でも気持ちに寄り添っている感じです。

あとですねぇ、だれも同意してくれなさそうですが、フォントがとてもいい。よくぞこのフォントをもってきてくださいました!と言いたいようなフォントです。これまたエモい。

一つなんとかしてほしいんですけど、帯がない代わりにシールが貼ってある。

どうにもうまく剥がれないので諦めましたが、いる?これ?どうせ貼るならもっと弱粘着なのをお願いしたいところです。

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