きょうは かぜが つよい びゅうびゅう びょうびょう ふきぬける だって オオカミが かけまわっているから
少年の一日は、想像力が広がり、躍動する動物たちに重なっていく。

子供の頃、家で一人でいるようなときには「ねずみにひかれないようにね」なんてことをいわれたものです。

自宅の周辺は、現在でも色んな動物が出没するようなところで、幸い遭遇したことはないですが、ここのところは頻繁に熊の出没情報の後方メールが届きます。イノシシは狩ってる(飼ではなく狩)親戚がいました。カモシカには何度も遭遇しました。歯磨きしているときに窓の向こうを見たら目があってびっくりしました。

鹿に至っては、市内の山の中の国道を走行中に衝突事故を起こしたことがあります。カーブ曲がった先に路上に突っ立ってた大きな鹿にぶつかりました。普段ならば人気のないようなところでしたが、人間だったら危うく人身事故でしたが、鹿は元気に?逃げていきました。車のほうがダメージ大きかったかも?

そんな環境ですので、余計に本当にねずみにどこかに連れて行かれてしまうのではないかという恐怖がありました。そういえば今まで野生のネズミってみた記憶がないんですけども、リスかモグラならあるんだけどな。

「きょうは かぜが つよい びゅうびゅう びょうびょう ふきぬける」
「だって オオカミが かけまわっているから」

「とおくで カミナリが なっている ゴロゴロ ドンドン なっている」
「ああ そうか ゴリラが むねを たたいているんだ」

見開きいっぱいに描かれた、駆け回るオオカミと、ゴリラの力強い姿。

チーターが集まり、大雨を降らせたあとは、大きなクジラが真っ暗な夜の闇を、夜中には孔雀が大きな羽を広げ一面の星空を彩る。
リスが早めた時計の針を、カメがあつまり針を戻していく中、ゆっくりと眠りに落ちる

少年の一日におきるいろんなことが、動物が起こす何かとして、大迫力の絵として描かれています。

いろんなことを動物の行動と結びつける発想力もさることながら、それを表現する絵の迫力がすごいです。

時計の針をこっそり早めたり遅らせたりするリスや亀はかわいいもんだけど、枕元でねむれない少年を見つめる巨大なトナカイなんかはちょっと怖い。

一人で寝るときにネズミに引かれないか心配になってた子供の頃の僕が読んでたら、確実に寝るときにトナカイが枕元にいないか心配になってたかもしれないです(笑)。

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